加藤智子さん(被服科卒)

はじめまして。
被服科を卒業しまして30年、絵描きをしています。
本来は、高校時代の事を書くべきでしょうが・・・いい思い出が・・・というか3歩歩くと忘れる性格に、老化という素晴らしい現象が加わり何も覚えていません。嫌味な先生の心えぐられる言葉さえ忘れてしまったのは、悔しいものです(笑)。
とにかく、小さい頃から絵描きになりたくて、今では『夢や願いは口に出して言えば叶う』と言われていますが、私は、内に秘めメラメラと『やってやる!』と思う、秘密主義でして・・・おっと、このままでは又長くなってしまうので掻い摘んで。

家庭科大嫌いな私が、デザインをしたく厚狭高校被服科に入学→当然居心地の悪さを感じる→中学の恩師に相談→美大へ行く勉強をする→紹介してもらった厳しい美大へ行くための講師に絞られる日々→母が体調を崩し家に残る事を決意→よって美大を諦め県内の芸術短大へ方向転換→結果それで良かった、それが良かった。
その短大で、本当に良い先生や友人に恵まれ、気の迷いで中退を考えた時にも先生は、「こんな面白い存在辞めさせるわけにいかない」と、首を縦に振らず説得の毎日。中退断念→気持ち切り替え短大を謳歌(卒業を控えた時には、その先生を始め他先生からも研究生として残る事を勧められる)→卒業制作最高!と褒められる。
卒業→結婚 不妊治療を8年、出来ず諦め→夫の理容室YELL(山陽小野田市有帆)の開店。

高校時代の勉強中の絵

同時に⇩

・犬達の度重なる老化介護
・祖父母の相次ぐ痴呆
・不景気で家業がピンチ
・母の病気
・叔母の癌発覚
・父の難病宣言(付き添いの病室で羊毛作家・アクセサリー作家をする)・・・・・

もうハチャメチャな20年がスタート!! 
家族での父の闘病生活が始まり父に付き添い病院に泊まり込む事5年。そのあと叔母の介護で、トータル6年病院に寝泊まり自宅介護の日々。

今回の寄稿文の話を頂き、書き出してみたらなんと原稿用紙8枚超えの超スペクタクル(意味わからん)な大作となってしまった・・・。そんな大作を読みたい方はご一報下さい、コピペメールをお送りしますから(笑)。

父と叔母が2014年旅立ち→社会から置いてけぼりの浦島太郎となった私→社会復帰の為仕事を探す→夫の説得で仕事に出る事を断念。それは、私が虚弱体質で職場に迷惑をかけるだろうし、叔母の遺言「あなたの絵が好きだからまた描いて」と病床で毎日言ってくれた事を受け夫に絵を描く事を勧められる→2015年暮れ1枚の絵を描く。

かくして
絵描きになりたいという夢を胸に秘めたかつての少女は、秘めに秘めて温め続け42歳(当時)という立派なおばさんとなって今から5年前。遅いながらも夢に向かいデビュー!→有難い事にすぐに個展のお誘いを頂く=その後次々とお話を頂き休む時間無く絵に携わらせてもらえ、東京・大阪・山口などで多数個展を開く。同時にグループ展は数知れず参加。海外からも展示のお誘いがあり、実際にパリ・ニューヨーク・香港などでグループ展にも参加。
猫の保護をしている我が家には、モデルはいっぱい。昔からずっと犬が居て捨てられた犬達の保護もしていました。

私は今、彼らの煌めく命を描いています。動物を描くのは私には極々自然。だってずっと側にいるんですから。

小さくても私達と同じ尊い命を、虐めたり軽んじないで、可愛い彼らと共に生きよう!
殺処分という言葉を無くそう!   そんな思いで描きまくり。

絵描きになるきっかけの絵

かといってそんな思いで見なくていいんです。
この子可愛いね
この絵面白いね
こんな子いるよね
こんな表情するよね
そんな気持ちで見てもらえたら、又笑顔になってもらえたらいい。

そしていつか家族に迎えたいね。とご家族で話す日があれば~どこかで人間に裏切られ怯えていたり、お腹を空かせていたり、寒さに震えていたり、暑さでぐったりしていたり・・・そんな子がいたらぜひ家族に迎えてあげてほしい。その日が来たら私の絵の役目があったというもの。

なんてカッコつけて書いてみましたが、好きな事(絵)と好きなもの(動物)を組み合わせただけなんだけどね。

何歳からでも、例え口に出さず胸に秘めた想いでも夢は叶わないとは、限らない。

変・変わっている・天然 など言われたくないが為に、ひた隠しにし周りに合わせていようと必死だった過去。私の変人さ(長く深い付き合いの人や感のいい人以外にはバレていないと思う)・変わった部分を武器にしてこれからも愛すべき動物達を、そしてこれからは人や他の物など視野を広く更に楽しく、時には苦しみながらも絵を描いて行きたいと思います。

はっきり言って私の話・文章など何の役にも立たないです、だって私は絵描きですから。
絵を見て笑って下さい。
元気を出して下さい。
癒されて下さい。
そしてその事で出来た心の余裕で、小さな命に優しさを与えて下さい。

長々と書いておいて申し訳ないのですが、結局最後の↑1行が何より私の言いたかった事。

取り留めのない話にお付き合い下さりありがとうございました。お近くで個展の際は、チラリとお立ち寄り下さいね。

皆様と皆様の大事な方々のこれからのご多幸を心よりお祈りしてここら辺にさせて頂きます。